機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシアとは

機能性ディスペプシアとは、自覚症状として胃もたれやお腹の張り、みぞおちの痛みなどが現れているのにもかかわらず、内視鏡検査を行っても胃がんや胃・十二指腸潰瘍などの疾患または異常が発見されない疾患です。内視鏡検査が広まる一昔前は、神経性胃炎やストレス性胃炎、慢性胃炎などとよく診断されていました。
「機能性消化管疾患診療ガイドライン2014年 」によりますと、日本人の機能性ディスペプシアの有病率は11~17%であると報告されています。

原因

機能性ディスペプシアの原因は個人によって大きく異なります。原因を2つ以上抱えているケースもあります。

胃・十二指腸の運動機能の阻害

食べ物を貯める(胃適応性弛緩)、十二指腸へ送り出される(胃排出)などの運動に、何らかの異常が発生しているケースです。早期の膨満感や食欲不振が起きやすい傾向にあります。また大腸の動きが元から悪く、便秘が起きている方も機能性ディスペプシア を発症しやすいです。

胃・十二指腸の知覚過敏(少ない刺激に敏感になること)

胃の拡張刺激や十二指腸内での胃酸や脂肪に対して敏感になることで、様々な不調が現れやすくなります。

ストレス・トラウマなどの精神的要因

近年「脳腸相関」という言葉ができたように、脳と腸管の機能は互いに影響を受けていると報告されています。そのため、強いストレス・不安が原因で、腸が不調を起こしやすくなります。特に幼少期の虐待によりトラウマを抱えている方、うつ病の方が機能性ディスペプシアにかかるケースは多々あります。

その他

ヘリコバクター・ピロリ菌感染や感染性胃腸炎などの疾患、遺伝、ヘビースモーカー、アルコールの過剰摂取、不眠などが引き金になって、機能性ディスペプシアを発症することがあります。

検査・診断

先述したように、機能性ディスペプシアは、「内視鏡検査で確認しても消化器疾患や異常が認められない状態」にもかかわらず、「胃もたれ・早期満腹感・みぞおちの痛みなどの症状」が現れている疾患です。
具体的には、みぞおちの痛み、みぞおちが焼けているような感じ、胃もたれ、早期満腹感のうち1つでも該当し、かつその症状が慢性的にあり、胃内視鏡検査やピロリ菌検査、血液検査、エコー検査などを行っても異常・他疾患が発見されなかった場合は、「機能性ディスペプシア」と確定診断します。

治療

治療では、投薬治療と生活習慣・食習慣の改善が必要不可欠です。

投薬治療

胃酸分泌抑制薬(ボノプラザン、プロトンポンプインヒビター、エソメプラゾール、ファモチジンなど)や、消化管運動促進薬(アコチアミド、モサプリドクエン酸)を症状・状態にあわせて処方します。また、漢方薬(六君子湯など)の処方にも対応しております。また、必要に応じて精神的な原因がある方には、 抗うつ薬や抗不安薬も処方します。ピロリ菌感染者には、ピロリ菌の除菌治療を行います。

生活習慣や食事の改善

早寝早起き・一日三食など、規則正しい生活を心がけるて生活することで、自律神経が整います。また、「こまめな水分補給」と、「よく噛んで食べること」を意識しましょう。
加えて、「暴飲暴食」や「食後すぐの運動」は控えましょう。

予防・食事について

先述したように、機能性ディスペプシアの予防において、生活習慣と食習慣の改善は重要です。また、機能性ディスペプシアになる方の中には、ストレスが溜まっている方も多い傾向にあります。ストレスで悩んでいる方は、「ストレスを全部なくすのではなく、ほどほどにストレスと付き合っていく」ことを心がけてみてください

生活習慣の改善

自律神経が整うと腸の不調もおさまります。
栄養バランスの良い食事、十分な睡眠時間の確保、適度な運動を心がけることで、自律神経の乱れを予防しましょう。喫煙・飲酒をよくする方は、禁煙・節酒しましょう。

食習慣の改善

機能性ディスペプシアになった場合の生活習慣の改善や食事として、よく噛み・食べ過ぎず・食べてすぐに運動しないことが挙げられます。
併せて、体調を整えるためにも、バランスの良い食事を摂るように気をつけましょう。ただし、いきなり過度な節制をするのは、かえってストレスとなる恐れがあります。無理のない範囲で徐々に改善していきましょう。

ストレス解消を行う

ストレスは子どもから大人まで、老若男女を問わずどんな人でも感じています。
健康な人の中には、大きなストレスを受けても解消するのに長けている人もいます。反対に、ストレスの規模は大きくないが不安を抱く人、解消するテクニックを身につけていない人、心身に大きな負担を抱える人もいます。「何がストレス解消になるのか」、「趣味やリラクゼーション方法、好きなことなど」を探ってみることをお勧めします。

早寝早起きを

決めた時間に、かつ早起きする習慣を作ってください。一定のリズムの生活を送ることで、一定の時間帯に身体の機能が活発になり、かつ自律神経が整いやすくなります。
また早寝早起きを続けると、仕事や勉強、家事もはかどり、ストレスの元となる「うっかりミス」を減らすことにも効果的です。きちんと睡眠を取ることで免疫力がアップし、風邪をはじめとする病気にもかかりにくくなります。

運動習慣

身体を動かして汗をかくことは気分転換になります。散歩やジョギング、ランニング、スイミング、その他スポーツなど、できるものから始めてみましょう。
プロ選手や長年運動を続けている人がやるようなハードトレーニングでは、挫折しやすく長続きしません。無理なく、楽しく運動を行うことが大切です。

趣味の時間・リラックス方法を探しましょう

好きなことや趣味などに打ち込む時間を確保しましょう。
夕方~夜にかけての時間はリラックスすることで、自律神経のバランスが整い、夜眠りやすくなります。

ピロリ菌と機能性ディスペプシア

一昔前は「慢性胃炎」と見なされていたケースでも、現在は細かく鑑別されるようになりました。その代表としてあげられる疾患が、ピロリ菌感染による慢性萎縮性胃炎と、機能性ディスペプシアです。特にピロリ菌感染による萎縮性胃炎が慢性化すると、胃の運動能力が低下し続けます。現在では除菌治療を行うことで、胃の運動能力を取り戻すことが可能になりました。このように適切な診断を受けることは、完治のためにも極めて重要です。
「なんだかお腹の不調が治らない」「薬を飲んでも治らない」とお悩みの方は、ぜひ一度当院へご相談ください。

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