十二指腸潰瘍

十二指腸潰瘍とは

何らかの理由で胃酸が十二指腸の組織を傷つけることによって、内部の深い部分までえぐれてしまう疾患です。原因は胃潰瘍と同じように、ピロリ菌感染やNSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛剤)の服用などが挙げられます。
症状は腹痛(特に空腹時に多いです)が多く、進行すると出血や出血による貧血、下血が発生します。潰瘍がさらに悪化すると十二指腸の粘膜に、穿孔(せんこう)という穴が開いてしまい、大変危険です。
また、ピロリ菌の感染で起きている方の場合は、ピロリ菌の除菌治療を行う必要があります。
ピロリ菌感染者は高齢者に多いイメージがありますが、若年層の患者さんもよく見られます。感染率は10代では5%、20代~30代で10~20%で、50歳以上は70~80%だと言われています。

原因

胃酸の分泌が過剰になることで、十二指腸の粘膜が傷ついて発症します。十二指腸の粘膜下は、粘膜筋板・粘膜下層・筋層・漿膜(しょうまく)で構成されていますが、ダメージが粘膜下層より深いところまで到達すると「十二指腸潰瘍」と診断されます。

ピロリ菌

胃潰瘍と同じく十二指腸潰瘍患者の多くが、ピロリ菌に感染することで発症していると言われています。ピロリ菌は周囲をアンモニアで中和し自身を守ることで、強酸性である胃酸の中でも生息できる細菌です。「幼少期の口移し」や「ピロリ菌に感染された飲食物の摂取」が原因で、感染すると考えられています。

NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛剤)

ピロリ菌の次に多い原因として、NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛剤)が挙げられます(NSAIDs潰瘍)。アスピリンやロキソプロフェン、イブプロフェンなどのNSAIDsを服用して、腹痛などが起こった際は、速やかに服用をやめて当院までご相談ください。

症状

  • 腹痛
  • 鈍痛、うずくような痛み、焼ける痛みなどがあります。場所はみぞおちが多い傾向にありますが、他の場所が痛むこともあります。

  • 腹痛以外の症状
  • 吐き気、胸やけ、胃もたれ、ゲップ、食欲不振などがよく現れます。

  • 消化管の出血
  • 重症化すると吐血・下血(タール便)が現れます。吐血や下血が原因で貧血を起こすこともあります。

  • 穿孔(せんこう)
  • 消化管の壁に穴が開く合併症です。速やかに治療しないと大変危険な状態です。

検査・診断方法

必要に応じて、胃内視鏡検査とピロリ菌感染検査を実施します。

上部内視鏡検査(胃カメラ検査)

胃と食道・十二指腸の粘膜を細かく観察します。潰瘍の進行度、傷の深さ、周囲組織の状態などを正確に観察してから生検(組織を採取して行う検査)を行います。他疾患との鑑別やピロリ菌感染の有無も確認可能です。潰瘍による出血が多い時は、内視鏡検査時に止血処理を同時に行うこともできます。

ピロリ菌の検査

採取した組織を生検にまわし、ピロリ菌感染の有無を確認します。検査方法は鏡検法(ピロリ菌を染色して菌体を顕微鏡で観察する方法)、培養法、迅速ウレアーゼ検査(RUT)など多々あります。また、血液検査・尿検査、便検査や、尿素呼気検査(UBT)で確認することも可能です。検査方法には、保険適用内の対象となる条件など、規定があります。保険適用に関するお悩み・ピロリ菌検査に関するお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

治療

薬剤療法

胃酸分泌抑制薬を6週間ほど服用した場合、80%以上の確率で改善します。ただし、十二指腸潰瘍は再発・慢性化しやすいので、約1年間は服用を継続しましょう。勝手な断薬は禁物です。
十二指腸潰瘍は胃潰瘍と同じように、ピロリ菌感染による発症が多く見られます。
そのためピロリ菌の除菌治療を行うことは、再発防止として効果的です。投薬治療では2種類の抗生物質と胃酸分泌を抑制する薬を処方していきます。また、除菌治療でお身体への負担・治療に伴う痛みなどは一切発生しません。再発が多発している場合や、十二指腸潰瘍の重症化で重度の出血を起こしている際は、除菌治療が不可欠です。

手術(出血時)

内視鏡検査で潰瘍からの出血を発見した際は、必要に応じて当日中に内視鏡止血処置を行います。十二指腸潰瘍の場合、出血が見られても90%以上は開腹手術が必要ではありません。当院では、必要に応じて提携する医療機関にご紹介させていただいております。

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